【一言感想】砂の女

3.5
映画

蛭子能収が一番面白いと評する映画ということで見てみたのですが、「過酷な環境下に置かれた後の人間の思考の変化」が描かれた上で、白黒で淡々と描いている生活場面をエロと音楽で飽きないようにカバーしていて、退屈せずに最後まで見ることが出来ました。この物語は家の周りに定期的に積もる砂を取り除かないと死んでしまう、という理不尽で過酷な環境下で、環境自体から抜け出そうともがく男と僅かな楽しみを見出し、現状維持でいようとする女を対象的に最初の場面で描いているのですが、最終的な場面では理解ができなかった女の生き方を男がトレースしているという話でした。こういった最初は環境から抜け出そうとしていたが、時間経過と共にその環境に慣れてしまい、留まるようになるといった話はよく聞きますし、自分にも思い当たる節があるので、人間の性質を見事に描いていると思いました。突然置かれた訳のわからない環境に、次第に「溶け込み楽しめる」のなら良いですが、「自分に言い訳をして留まり続けるしかない」という生き方をしないように気をつけなければならないと思わせる映画でした。
視聴方法:シネマヴェーラ渋谷

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