早稲田大学法学研究科不合格体験(不を抜くために戦闘中)

体験談

2024/8/31、早稲田大学法学研究科労働法専攻(いわゆる大学院)の筆記試験を受験しました。結果は9/19に開示されます。

試験時間90分。出題範囲は労働法の全分野にもかかわらず、出題されるのはたったの一問です。山を張るなんて甘ちょろいことはできません。この90分のために私は一年間多くの余暇を勉強に費やしてまいりました。

私は正社員(フルタイムの基幹労働者)として、田舎に本拠を構える会社で労働をしております。(宇宙兄弟をご覧になったことがある方は、真壁ケンジの職場をイメージしてみてください。ほぼあれです。)通勤を含めた会社の拘束時間は1日12時間×5です。仕事もまったく楽しくないので、艱難辛苦の日々に耐えております。こうした制約の中で勉強を続けるのは、精神的にも体力的にも極めてハードでした。

特に試験一か月前からは、自分でも狂気的になっていくのを実感していました。躁状態のときは常に労働法に関連する用語が頭の中を落ち着きなく暴れまわる一方、少しでも気を抜くと不合格になる光景が何度となく上映され、一人過呼吸に陥っておりました。

そんなときは気休めの精神安定剤として、大学受験に挑む高校生を応援するカロリーメイトのCMを幾度となく視聴し、なんとか正気を保ってまいりました。(私は約10年前に大学受験を経験しておりますが、今回の受験はそれよりしんどかったです。)

8/31、午後3時、試験が終わった直後、最初に頭によぎった感想が「やっちまった」でした。

試験終了後、震える足で会場を出た私は大隈重信像の横のベンチにへたり込む、2,3の嗚咽いたしました。帰宅後は、学生時代に愛飲していたストカン(アルコール度数9%)をがぶ飲みし、なるべく試験のことを考えないよう努めました。

問題は「有給休暇と育児介護休業法について論じよ」みたいな内容でしたが、勉強不足と焦りからペンが全くすすまず、残り30分のアナウンスがかかった時点で回答用紙は真っ白。追い込まれた時のドラえもんが如く、無我夢中で脳みそという名のポケットから、自分の知っている知識を遮二無二引っ張り出しましたが、お世辞にも良い答案とは言い難いものになってしましました。

ところが人間とは不思議なもので、時間がたつにつれて、「完ぺきではないものの、案外的をいた回答がかけたのではなかろうか」なんて気持ちが湧いてくるようになりました。(歴史修正主義者というのはこういう感覚なのかもしれません。大変恐ろしいことです。) しかし、この文章を書くにあたり、試験当日の状況を克明に思い出しつつある現時点(9/16)では、「合格2割、不合格8割」が妥当な確率だと思います。(皮肉なことに、私はこの自己採点力に関してはこれまでも多くの実績がございます。)

あれだけたくさん時間をかけたのに落ちてしまうのは、やす子の言葉をかりるまでもなく「とっても悲しい」です。でもさらに虚心坦懐に自分を見つめなおしたとき、実は少しほっとしているのもまた事実です。そもそも自分は大学院で研究をできるほど、学力も体力にも自信がありません。しかも進学するとなると無職になり(会社は嫌いなので一刻もはやくやめたいですが)、また少ない貯金から莫大な金額を投資することになるので、むしろここで落としてもらった方が、人生は「安定」するのではないかと。もちろん、応援してくれている人たちには対しては、無様な恰好をさらすことになるし、とっても申し訳ないけれど。

ここまで自分の昂った感情が短期間で鎮静化してしまうのは記憶にある限り人生で初めてです。大学時代に失恋した時や就職活動で第一志望だったラジオ局を最終面接で落とされた時の悲しみは、今でも胸に深く刻まれています。こうした事柄にくらべて、大学院入学という目標は、自分にとって重要ではなかったということなのか、それとも自分が当時より成熟して挫折を受け入れることになれたのか、自分でもよくわからないでおります。

もちろん、まだ結果がでていないという事実が自分の心を無責任に安心させているということも考えられます。9/19に結果が開示されたら、今の凪状態が嘘のような大嵐が吹き荒れるかもしれません。

今回の受験体験を通して学んだことが一つあります。それは「せっかく生きるのであれば、何かに挑戦した方がギャンブルみたいで面白い」ということです。確かに何の目標をもたずに生きていても、寅さんがいう「生きててよかったな」という瞬間は訪れるかもしれません。ただ、脳内でアドレナリンがでるような経験は、ストレスをかけないと合法的に得ることは難しいような気がします。私が私淑している蛭子能収さんが以前「競艇で100万円あてた瞬間に死にたい」とご著書の中で述べられていました。受験の快感も結局これと同じ気がします。

「寅さん的幸せ」と「蛭子さん的幸せ」。どちらも味わえる限り、味わっていきたい所存です。

後者には多量なエネルギーを要するので、これからしばらくは休養期間に入りますが、

次のギャンブルの具体的な計画が決まり次第、また当サイトで発表いたします。私にとっても、皆さんにとってもいい娯楽になるはずです。死ぬまでの暇つぶしを楽しみましょう。

(2024/9/20 追記) なんと受かってました。とっても嬉しい。

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